配偶者が相続等で被相続人の遺産を取得したときには、課税遺産に対する配偶者の法定相続分に相当する金額(その金額が1億6千万円に満たない場合には、1億6千万円)に対応する相続税額を配偶者の相続税額から税額控除として控除する制度です。この制度創設の趣旨は、「妻の座」に対する配慮、遺産維持形成に対する配偶者の貢献に対する考慮、同一世代間での財産移転であるため次の相続の発生が比較的早く生じるため、この税額軽減措置が創設されたといわれています。
この軽減措置は、当初の相続税申告が仮装隠蔽された遺産がある場合には、その後修正申告等した場合であっても、この軽減措置の対象とならないことに注意を要します。また、申告期限までに、遺産分割がされていない財産は、この軽減措置の対象とはなりません。ただし、その未分割が3年以内に分割確定した場合や裁判等で3年内に分割ができない等分割ができないやむを得ない旨の届出の承認を税務署長から受けたときは、その後の遺産分割協議確定により配偶者の取得した財産については、配偶者控除の適用があります。
この配偶者控除の適用となる配偶者には、婚姻の届け出をした者に限られ、内縁の妻は対象とはならなりません。また、相続放棄した配偶者も、遺贈によって財産を取得したときは、この制度の適用があります。