相続税の節税対策(相続税対策)については、人によって、その関心の持ち方や考え方によりその方式が異なるのが一般的です。例えば、相続財産の種類が異なるが同じ価額(時価)である場合、相続時の相続財産としての相続税評価額が低ければ、相続税額の負担が低くなるため、相続時の財産評価額が低い財産を選好することを目標とする方もおりましょう。あるいは、相続税を多少高く負担しても、相続後において相続された財産から生まれる収益が高い財産を選好する方もおられましょう。また、相続税の課税特例制度(軽減措置)を適用すれば、適用しない場合よりも相続税額が軽減されるので、税制上の軽減措置がとれるように対処する考える方もおります。
相続は、財産の承継制度のため、所有という形態で承継するのか、株式等の保有を通して会社等の間接所有する方法とするのか等、取得の量や質を重視する考え方もあります。
被相続人が財産を次世代に相続財産を残すことで、相続税が発生するわけですので、それを残さなければ、相続税問題は発生しないわけですので、相続税を低減の究極の方法といえなくもありません。つまり、相続税の究極の節税は、被相続人が財産を残さないことといえなくもありません。
しかし、現実には、人が死ぬときにすべての財産を使い切って死ぬことは大変な労力と作業が必要なので、それを実現することは不可能といえましょう。そこで、相続財産を減らす方法としては、生前贈与を利用すれば、相続人およびその親族に財産の移転ができなおかつ相続税が減少することとなります。その意味からすると、相続税の減少に寄与します。生前贈与は相続税の節税対策といえますが、生前に一定程度の生活を十二分に維持できる財産を所有していないと予定外の生活費の支出の増加や不動産の修繕等の出費もありますので、生活維持に影響を及ぼすことになりかねません。生前贈与が相続対策として有効としても、生活の維持にかかわる財産の減少は避けるべきでありましょう。
かしこい相続税の節税対策は、人それぞれの志向や考え方に影響しますが、安心、安全、健康な生活を維持しながら、少なくとも、相続税法及び関連法令規則で、その課税価格を軽減されている仕組みが存在していますので、それらの制度を利用することが、少なくとも、かしこい相続税の節税対策といえるのではないかと考えます。