生前贈与を活かして相続税の節税対策
KASUYA税理士法人

生前贈与による相続税の節税対策

 財産を生前贈与するのか、それとも、相続のときに承継させるのかについて、ご相談されるケースが多い。 

 

 財産を生前贈与するにあたり、そのメリット・デメリットについて、説明します。

 

 贈与税は、贈与者と受贈者との贈与契約により、贈与者から贈与された財産の評価額に対して受贈者が支払う税金です。相続税は、相続があったときに、被相続人の相続財産に課税され、それを相続した相続人が負担する税金です。財産の所有者が生前に贈与すれば贈与税が受贈者に課税され、一方、その財産を所有者の相続を契機として、その遺産を相続人に承継させることで、相続税が相続人に課税されます。贈与と相続は、財産に対する取得が生前か相続時かの時点の違いがありますが、取得そのものは共通しているため、贈与税と相続税の課税財産の価額の評価の方法は共通です。しかし、贈与は生前における任意での私人間の無償による財産取得のため贈与税の税負担率を相続税よりも高くしております。

 

 生前贈与する場合の予想贈与税負担率とそれを相続する場合の予想相続税負担率との比較検討をしましょう。

 

 相続財産を相続税評価額である5億円を所有していると仮定し、相続人を子供2人とします。その相続税の総額は、15210万円で、その負担率は、15210万円÷5億=30.42%となります。しかし、この場合に適用される最高税率は、2億円から3億円の課税財産に適用される税率は45%となります。財産の平均負担率と適用される最高税率の違いは、財産額が高くなればなるほど高くする超過累進税率が採用されているからです。

 

 そこで、生前に、被相続人予定者から相続人予定外である孫1人あたり、1000万円づづ贈与するとしたら、贈与税額の計算は、次のようになります。

 

 課税財産額は、1000万円-110万円=890万円となり、

 贈与税額(直系尊属からの贈与税率適用)は、890万円×30%-90万円=177万円となります。

 平均負担率は、177万円÷1000万円=17.7%となります。

 

 贈与税の適用税率が30%で、相続税の適用税率が45%ですので、15%の階差があり、贈与しても有利となります。

 

 この贈与を毎年続けて、もし、4年後に相続が発生した場合には、相続財産が1000万円×2人×4年間=8000万円が毎年贈与していたので、5億-8000万円=4億2千万円となります。基礎控除は相続人2人で、4200万円ですので、課税遺産額は、37,800万円となります。相続税の適用税率は、課税財産額は、相続人一人当たり18900万円で、2億円以下の適用税率となるので、40%の税率の適用となります。相続税の総額は11720万円となりますので、純遺産額4億2千万円の相続税負担額の負担割合は、11720万円÷4億2千万円=27.9%となります。生前贈与で孫に財産移転した総額は8千万円でその贈与税の合計は177万円×2人×4年=1416万円を負担しています。もし、生前贈与をしていない場合の遺産5億円の相続税は、15210万円となります。生前贈与により相続税の節税額は、15210万円-11720万円=3490万円ですが、贈与税1416万円を負担していますので、2074万円の純粋な節税額となります。

 

 なお、もし、相続人とならない孫への贈与でなく、相続人への贈与であった場合には、相続開始前3年以内の贈与については、その贈与は、相続税に取り込まれてしまうシステムが採用されていますので、贈与税の負担の低減のメリットは3年分については享受できない仕組みが採用されていますので、注意する必要があります。

 

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