条件付遺言を作成するには、その条件設定に熟慮を
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条件付遺言である場合の対処は

 遺言書の書き方で、たまに、ご質問されるのが、条件付遺贈(停止条件あるいは解除条件)です。例えば、子が医学生ですが、自分の診療所を継いでほしいが、勤務医や他科をめざすかもしれないので、遺言書の書き方として、医師として診療所を承継する場合には、診療所の土地、建物、医療設備を遺贈する旨の遺言を書きたいが問題がないのか等の質問があります。

 

 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力が生じますが、遺言に停止条件(条件付遺贈)を付した場合においては、その条件が遺言者の死亡後の数年経過後に成就する等がある条件付遺言のときには、その遺言は、その条件が成就したときからその効力を生じる(民985)ものとされています。

 

 相続人である子が、医学生であるため、医師になる可能性は満たされますが、診療所を承継するのか勤務医になるのかは、相続開始段階では未定です。

 

 そこで、遺贈義務者(一般的に遺言執行者)やその他の利害関係人は、受遺者(子)に対し、相当の期間を定め、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができることになっています。受遺者である子がその期間内に遺贈義務者に対してその意思表示(将来に診療所を承継するかどうかの意思)をしないときは、遺贈を承認したものとみなします(民987)。そして、遺贈の承認及び放棄の撤回、取消は、撤回することができないものとされています(民989)。

 

 もし、受遺者である子が、診療所を引き継がないことの意思を明らかにしたら、遺言での条件が成就しないこととなるため、遺言の内容はその時点で無効となります。そのため、診療所の土地建物、診療設備は、遺言で遺贈の定めがない財産として、相続人全員が協議分割をすることになります。

 

 条件付遺言の場合には、遺贈義務者が受遺者に対して、相当な期間を定め、遺贈の承認か放棄をするかの催告をすることになっており、遺贈の放棄を明言しない場合には遺言を承認したものとみなします。そのため、遺言書の書き方で、注意をしなければならないのは、条件の書き方ないし設定の仕方です。

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